前編で、障がい者支援に、ファイナンシャルプランナー(以下FP)として関わることになったいきさつをお話しました。
つまり、FPとしてどんな人のお役に立つかを、自分から決めてかかってした私には、FPが障がい者支援に有効なアドバイスができる、という発想が全く無かったわけです。
これはおそらく、いわゆる「終活」に関わるFPも同じ思いだと思います。
- FPは「お金がよく動く(=つまり収支の額が大きい)世代にアドバイスする仕事だ
- いわゆる「福祉分野」でFPが「仕事」ができるはずが無い
こんな思い込みが、終活世代や、障がい者やそのご家族に、自分たちの専門知識が生かせるはずなんか無い、という貧弱な発想につながっていたのだと思うのです。
さらに「障がい者」「障害者」と聞くだけで、「専門知識もないし、面倒な仕事になるのでは?」「そもそも相談料がもらえないのでは?」という誤解を深める結果になることもありえると思います。
しかし、前章にも書きましたが、障がい児を育てる親御さんにとっては、お金の問題は解決が難しいことで、長きにわたり取り組まないといけないテーマで、しかも自分が亡くなったあとに更に大きな問題になりかねないということすら、すでに理解されているのです。
一般のご家庭では、おそらく気にもしないテーマが、障がい児がいるご家庭では「当たり前に取り組むこと」になっているのです。
でも「障がいの世界はわからないし、その分野に全く疎い場合は、取り組めないのでは?」というFPさんがいます。
これこそ、完全なる「誤解」です。
私が、先日の、福祉施設職員対象の「障がい者とお金の研修会」でも声を大にしていいたかったことがこれです。
それは
「障がいがあるAさんの支援をすると身構えるのではなく、Aさんを支援しているがたまたまAさんには障がいがありましたと考えてください」
ということです。
そう考える事ができれば、障がい者支援は決して難しいことではなく、一般的な知識に障がい者に関する知識をプラスすることで、十分に専門家が仕事ができるし、それにより親御さんや当人はとても救われるのです。
ですから、障がい者支援を特別な難しい事と考えないで欲しいと思うのでした。